医療・介護施設のDXツール選び方ガイド|導入メリットと施設タイプ別の選定基準
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介護DXの基礎知識
- 介護DXとは
- 介護DXの定義
- 介護DXの具体例
- 介護現場でDXが必要な理由
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介護DXツールを導入する3つのメリット
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介護DXツールの種類
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介護DXツールの選び方
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まとめ
- DX成功の5つのポイント
- 最初の一歩を踏み出そう
介護DXの基礎知識
介護DXとは
介護DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して介護現場の業務プロセスや働き方を変革し、介護サービスの質を向上させる取り組みです。
介護DXの定義
単なるIT化(紙をデジタルに置き換える)ではなく、デジタル技術によって以下を実現することを指します。
- 業務プロセスの抜本的な見直し:従来の「紙ベースの業務」をそのままデジタル化するのではなく、デジタルを前提とした新しい業務フローを構築
- データ活用による意思決定:記録されたデータを分析し、サービス改善や経営判断に活用
- 職員と利用者の体験向上:職員の負担軽減と、利用者へのサービス質向上を両立
介護DXの具体例
| 従来の方法 | DX化後 | 変革のポイント |
| 紙の介護記録を手書き | タブレットで記録、自動集計 | 記録時間50%軽減、データ分析可能 |
| 目視とダブルチェックで服薬管理 | バーコードスキャンにより一人で完結 | 誤薬ゼロ、柔軟な人員配置可能 |
| 見周りで利用者の状態確認 | センサーで異常を自動検知 | 夜勤負担70%軽減、事故予防 |
| 紙のマニュアルで新人教育 | 動画マニュアルとシステムガイド | 教育期間の60%短縮、標準化 |
介護現場でDXが必要な理由
介護業界は今、かつてない変革期を迎えています。DX化は「あれば便利」ではなく、「生き残るために必須」の取り組みとなっています
理由1: 深刻化する人材不足
2025年問題の到来
- 2025年度に介護人材約243万人が必要(2019年度211万人から約32万人不足)
- 2026年度までに年間約6万3,000人ペースでの増員が必要(厚生労働省)
- 2025年問題:後期高齢者人口が約2,180万人に達し、国民の約5人に1人が後期高齢者に
人材確保の困難さ
- 有効求人倍率が全産業平均の3倍以上
- 離職率が高く、定着が課題
- 新人教育に時間がかかり、ベテラン職員の負担が増大
DXによる解決
- 一人あたりの生産性向上により、少人数でも運営可能に
- システムによる業務標準化で、新人でもすぐに戦力化
- 負担軽減により職員満足度が向上し、定着率アップ
理由2: 政府の強力な後押し
医療DX令和ビジョン2030
厚生労働省は医療・介護分野のデジタル化を強力に推進しています。
- 全国医療情報プラットフォームの創設(2025年度中に本格稼働)
- 電子カルテ情報の標準化(2030年までに概ねすべての医療機関へ普及)
- 診療報酬改定DX(医療DX推進体制整備加算の新設)
介護分野でも加速
- LIFE(科学的介護情報システム)との連携が報酬加算の要件に
- ICT導入支援事業による補助金制度
- 2025年度以降、DX化が実質的な要件となる方向性
理由3: 業務負担の限界
現場の声
(参考:厚生労働省「高齢者虐待の防止/介護現場における安全性の確保、リスクマネジメント」P27「市区町村への事故報告にあたり施設が感じている課題は、『施設内で利用している事故報告書から市区町村指定の事故報告書への転記が手間である』が最も多く34.4%であった。」URL: https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001146440.pdf)
典型的な業務負担
- 記録業務に1日2〜3時間を費やす
- 転記作業によるミスと手間
- 夜勤時の見回りと記録の両立
- 事故報告書作成の負担
- マニュアル更新と共有の困難さ
DXによる解決
- 記録時間を50%以上削減
- 転記作業の自動化
- センサーによる見守り自動化
- システムによる自動集計・レポート生成
理由4: 事故リスクとコンプライアンス
医療介護現場で最も多い事故は「誤薬」
(参考:公益財団法人介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業報告書」P24「居室(寝室)における誤薬事故は、介護事故の中で最も単純ミスによる部類の事故である。与薬マニュアルを作成し、その内容を与薬の職員に徹底させることが、事故予防にまずは重要となる。」URL: https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/h30_kaigojiko_houkoku_20180402.pdf)
アナログ管理のリスク
- ヒューマンエラーの発生
- 情報共有の不足による事故
- エビデンスの不足
- 監査対応の困難さ
アナログ管理のリスク
- システムによる誤薬防止(バーコード照合など)
- リアルタイムでの情報共有
- すべての記録が自動保存され、エビデンスが残る
- 監査対応資料の自動生成
介護DXツールを導入する3つのメリット
負担削減と職場環境の改善によるスタッフの定着
身体的・精神的負担の軽減
従来の負担
- 夜勤時の頻繁な見回り
- 常に「間違えたらどうしよう」という不安
- ベテランに業務が集中
- 新人教育の負担
DX導入後の改善
- センサーによる見守りで見回り負担70%削減
- システムによる確認で安心して業務遂行
- 誰でも同じ品質で作業可能(脱属人化)
- システムが教えてくれるため、教育負担50%削減
職員満足度向上と定着率アップ
DX導入施設での実績
- 職員満足度が平均30%向上
- 離職率が20%低下
- 新人の定着率が40%向上
- 「働きやすい」と評価され、求人応募数が増加
職員の声(導入施設アンケートより)
- 「記録時間が減り、利用者様と向き合う時間が増えた」
- 「システムが確認してくれるので、安心して業務できる」
- 「残業が減り、プライベートの時間が持てるようになった」
負担削減と職場環境の改善によるスタッフの定着
身体的・精神的負担の軽減
従来の負担
- 夜勤時の頻繁な見回り
- 常に「間違えたらどうしよう」という不安
- ベテランに業務が集中
- 新人教育の負担
DX導入後の改善
- センサーによる見守りで見回り負担70%削減
- システムによる確認で安心して業務遂行
- 誰でも同じ品質で作業可能(脱属人化)
- システムが教えてくれるため、教育負担50%削減
職員満足度向上と定着率アップ
DX導入施設での実績
- 職員満足度が平均30%向上
- 離職率が20%低下
- 新人の定着率が40%向上
- 「働きやすい」と評価され、求人応募数が増加
職員の声(導入施設アンケートより)
- 「記録時間が減り、利用者様と向き合う時間が増えた」
- 「システムが確認してくれるので、安心して業務できる」
- 「残業が減り、プライベートの時間が持てるようになった」
事務作業の軽減による介護サービスの質向上
本来業務への時間シフト
時間の使い方の変化 (一例)
| 業務内容 | 従来 | DX導入後 | 差分 |
| 記録・報告業務 | 3時間 | 1.5時間 | -1.5時間 |
| 転記・整理作業 | 1時間 | 0.2時間 | -0.8時間 |
| 確認・照合作業 | 1時間 | 0.3時間 | -0.7時間 |
| 利用者対応時間 | 3時間 | 6時間 | +3時間 |
浮いた時間で実現できること
- 利用者とのコミュニケーション時間が2倍に
- レクリエーションの充実
- 個別ケアの質向上
- 職員研修の時間確保
サービスの質的向上
データに基づくケアの実現
- 利用者の状態変化をデータで把握
- 過去の記録から最適なケア方法を分析
- 多職種間でリアルタイムに情報共有
- LIFE(科学的介護情報システム)への対応
家族・利用者の満足度向上
- リアルタイムでの状態共有
- タブレットでの写真・動画共有
- 透明性の高い情報提供
- サービスの質が可視化される
介護DXツールの種類
業務効率化系ツール
服薬支援システム
主な機能
- QR・顔認証による照合
- 服薬記録の自動化
- リアルタイムでの服薬状況可視化
- アラート・通知機能
適している施設
- 病院・診療所
- 医療連携が多い介護施設
- 医療DX推進体制整備加算を取得したい施設
診療報酬上のメリット
- 医療DX推進体制整備加算の算定(月1回初診時に8~12点)
- 2025年度から本格稼働する電子カルテ情報共有サービス対応
- 2030年までの導入が政府方針として推奨
導入効果
- 誤薬件数ゼロ
- 服薬業務時間40%削減
- 一人で完結、人員配置の柔軟化
シフト・勤怠管理システム
主な機能
- シフト自動作成
- 勤怠打刻・集計
- 労務管理
- 有給管理
適している施設
- シフト作成に時間がかかる施設
- 勤怠管理を効率化したい施設
- 労務コンプライアンスを強化したい施設
業務効率化系ツール
服薬支援システム
主な機能
- QR・顔認証による照合
- 服薬記録の自動化
- リアルタイムでの服薬状況可視化
- アラート・通知機能
適している施設
- 病院・診療所
- 医療連携が多い介護施設
- 医療DX推進体制整備加算を取得したい施設
診療報酬上のメリット
- 医療DX推進体制整備加算の算定(月1回初診時に8~12点)
- 2025年度から本格稼働する電子カルテ情報共有サービス対応
- 2030年までの導入が政府方針として推奨
導入効果
- 誤薬件数ゼロ
- 服薬業務時間40%削減
- 一人で完結、人員配置の柔軟化
シフト・勤怠管理システム
主な機能
- シフト自動作成
- 勤怠打刻・集計
- 労務管理
- 有給管理
適している施設
- シフト作成に時間がかかる施設
- 勤怠管理を効率化したい施設
- 労務コンプライアンスを強化したい施設
安全管理系ツール
見守りセンサーシステム
主な機能
- ベッド・離床センサーによる動き検知
- 異常時のアラート通知
- 転倒・転落リスクの早期発見
- 睡眠状態のモニタリング
適している施設
- 夜勤の負担を減らしたい施設
- 転倒・転落事故を防ぎたい施設
- 少人数で運営している施設
導入効果
- 夜勤の見回り回数70%削減
- 転倒事故50%減少
- 職員の安心感向上
インカム・ナースコールシステム
主な機能
- 職員間の即座の連携
- 利用者からの呼び出し対応
- 緊急時の一斉連絡
- 記録機能
適している施設
- 広い施設で職員間の連携を強化したい
- 緊急時の対応を迅速化したい
介護DXツールの選び方
選定の5つの基本ステップ
ステップ1: 現状の課題を明確化する
課題の洗い出し方法
- 1. 職員へのアンケート・ヒアリング
- 2. 業務時間の計測(どの業務に何時間かかっているか)
- 3. 事故・ヒヤリハットの分析
- 4. 離職理由の分析
よくある課題と対応するツール
| 課題 | 対応するツール |
| 誤薬が心配、発生している | 服薬支援システム |
| 記録業務に時間がかかる | 服薬支援システム |
| 夜勤の負担が大きい | 見守りセンサー |
| 情報共有がスムーズでない | 介護記録システム、インカム |
| 新人教育に時間がかかる | デジタルマニュアル、各種システムのガイド機能 |
ステップ2: 優先順位を決める
優先順位の判断基準
- 【全性への影響度】:誤薬、事故など、安全に直結する課題を最優先
- 【業務負担の大きさ】:最も時間を取られている業務から改善
- 【費用対効果】:投資額に対する効果の大きさ
- 【導入の容易さ】:短期間で導入でき、職員の負担が少ないものから
施設タイプ別の推奨優先順位
【特別養護老人ホーム・介護老人保健施設】
- 服薬支援システム(安全性最優先)
- 介護記録システム(業務効率化)
- 見守りセンサー(夜勤負担軽減)
【グループホーム・小規模多機能】
- 服薬支援システム(少人数でも安全確保)
- 見守りセンサー(夜勤負担軽減)
- 介護記録システム(情報共有)
【デイサービス・デイケア】
- 介護記録システム(記録効率化)
- 服薬支援システム(日中の服薬管理)
- 家族連絡システム(コミュニケーション強化)
【訪問介護・訪問介護】
- モバイル対応の記録システム(現場での記録)
- 服薬支援システム(訪問先での服薬確認)
- スケジュール管理システム(効率的な訪問計画)
ステップ3: システムの要件を定義する
必須要件のチェックリスト
【操作性】
⬜︎IT操作が苦手な職員でも使いやすいか
⬜︎画面が見やすく、直感的に操作できるか
⬜︎スマホ・タブレット対応か
【機能】
⬜︎自施設の業務フローに合っているか
⬜︎必要な機能が揃っているか
⬜︎他システムとの連携が可能か
【サポート体制】
⬜︎導入時の研修・サポートは充実しているか
⬜︎運用開始後のサポート体制は?
⬜︎トラブル時の対応は迅速か
【コスト】
⬜︎初期費用は予算内か
⬜︎月額費用は継続的に支払える金額か
⬜︎隠れたコスト(カスタマイズ費用など)はないか
【セキュリティ】
⬜︎個人情報保護は適切か
⬜︎データのバックアップ体制は?
⬜︎アクセス権限の管理は可能か
【実績】
⬜︎同規模・同業態の施設での導入実績は?
⬜︎長期的に使い続けられる安定性があるか
ステップ4: 複数のツールを比較検討する
比較のポイント
1. デモ・トライアルで確認
- 実際に触って操作感を確認
- 職員にも試してもらい、意見を聞く
2. 導入施設の事例を確認
- 同じような課題を抱えていた施設の成功事例
- 導入後の効果を具体的に確認
3. ベンダーの対応を見極める
- 質問への回答は丁寧か
- 自施設の状況を理解しようとしているか
- 無理に売り込んでこないか
4. 総コストを計算
- 初期費用 + 月額費用 × 3年間
- 追加費用(端末、カスタマイズなど)
- 補助金の活用可能性
ステップ5: 段階的な導入計画を立てる
成功する導入の進め方
Phase 1: 準備期間(1〜2ヶ月)
- 導入目的と目標の明確化
- 職員への説明と合意形成
- 操作研修の実施
Phase 2: 試験導入(1〜2ヶ月)
- 一部のフロアや時間帯で試験運用
- 問題点の洗い出しと改善
- 操作に慣れる期間
Phase 3: 本格導入(1ヶ月)
- 全施設での運用開始
- 継続的なサポートとフォローアップ
Phase 4: 定着・改善(継続)
- 効果測定と分析
- 業務フローの最適化
- 次のツール導入検討
予算規模別の選び方
予算50万円未満
推奨アプローチ
- クラウド型の月額制ツール
- 既存のデバイス(スマホ・タブレット)を活用
- 1つのツールから始める
おすすめツール
- 服薬支援システム(月額1〜5万円程度)
- 介護記録システム(月額1〜5万円程度)
予算50〜200万円
推奨アプローチ
- タブレット端末の購入も含めた導入
- 2〜3種類のツールを組み合わせ
おすすめ組み合わせ
- 服薬管理 + 介護記録システム
- 介護記録 + 見守りセンサー
予算200万円以上
推奨アプローチ
- 包括的なDX化
- システム連携も視野に入れた導入
おすすめ組み合わせ
- 電子カルテ(病院・診療所の場合)
- 服薬管理 + 介護記録 + 見守りセンサー
補助金・助成金の活用
利用可能な支援制度
ICT導入支援事業
- 対象:介護事業所
- 補助率:最大75%
- 上限額:施設規模に応じて設定
- 申請先:都道府県・市区町村
IT導入補助金
- 対象:中小企業・小規模事業者
- 補助率:50%~75%
- 上限額:最大450万円
- 申請先:IT導入補助金事務局
業務改善助成金
- 対象:生産性向上の取り組みを行う事業者
- 補助率:最大90%
- 上限額:最大600万円
業務改善助成金
- 申請期限を確認(年度ごとに募集)
- 導入計画を事前に作成
- 効果測定の方法を明確に
- 複数年での導入計画も検討
まとめ
DX成功の5つのポイント
- 【課題の明確化】:自施設の本当の課題を見極める
- 【優先順位の決定】:安全性と効果の高いものから着手
- 【適切なツール選定】:操作性・機能・サポート体制を総合判断
- 【段階的な導入】:無理なく、職員が慣れるペースで進める
- 【継続的な改善】:データを見ながら、業務フローを最適化
最初の一歩を踏み出そう
- 「完璧を目指さない」:小さく始めて、徐々に広げる
- 「職員を巻き込む」:現場の声を聞き、一緒に進める
- 「効果を実感する」:まずは1つのツールで成功体験を得る
介護事故における誤薬の比率は年々増加し、骨折・打撲・裂傷などの転倒に絡む事故を超え、今では大きな割合を占めています。
介護施設を安心・安全に利用していただくために、誤薬事故防止の取り組みが強く求められています。
(参考:新潟県長岡市「令和5年度事故報告の集計結果について」URL: https://www.city.nagaoka.niigata.jp/fukushi/cate02/file/setsumeikai-r050301.pdf)
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調査機関:日本マーケティングリサーチ機構